あいちシンクロトロン光センター (AichiSR)

施設の概要

あいちシンクロトロン光センターは、付加価値の高いモノづくり技術を支援するために愛知県が愛・地球博跡地に整備した「知の拠点あいち」の基幹となる施設です。科学技術交流財団が整備・運営し、企業や大学に広く活用して頂いています。エネルギー1.2 GeV、蓄積電流300 mAの電子蓄積リングから放出されるシンクロトロン光は光源に超伝導偏向電磁石、常伝導偏向電磁石、永久磁石(アンジュレータ)を用いることで、硬X線から真空紫外光まで幅広い波長のX線をカバーしています。財団が管理・運営する8本のビームラインの他、愛知県、名古屋大学、民間企業がそれぞれ1本のビームラインを建設し、運用しています。財団、愛知県、名古屋大学の10本のビームラインを共用しています。
あいちシンクロトロン光センター公開サイト

利用の形態

一般企業では成果専有・有償利用、大学等公的機関は成果公開・有償利用(減額)が基本となります。中小企業も成果専有ですが利用料金は減額されます。また、測定代行も行っています。

ビームラインの紹介

以下に、当施設で特徴的な一部の設備をご紹介します。他のビームラインを含めて設備情報の詳細をお知りになりたい方は、施設のウェブサイトをご覧ください(サイドメニューの設備詳細でリンク)。
 

硬X線XAFS(BL5S1, BL11S2)
硬X線領域のX線吸収微細構造(XAFS)測定を行うことができます。材料中の原子の結合状態や局所構造を解析します。K吸収端では、チタン(Ti)からBL5S1ではモリブデン(Mo)まで、BL11S2ではカドミウム(Cd)までの測定が可能です。透過法、蛍光法、転換電子収量法の利用ができ、試料加熱・冷却装置やガス供給/排気設備等を利用した実使用環境下での測定が可能です。自動試料交換装置を利用した多数試料の連続測定も可能です。

粉末X線回折(BL5S2)
集光光学系と二次元X線検出器(PILATUS-100K)4台を組み合わせ、短時間で高精度なX線回折プロファイルを取得することができます。キャピラリを用いて数mgの量の試料の測定が可能です。また、試料ホルダを一度に50個装着することのできるプレートを利用して、試料自動交換装置により、多数の試料の連続測定が可能です。高温および低温窒素ガス吹付装置により、室温~650℃、及び -160~150℃で試料温度を制御した測定が可能です。

軟X線XAFS、光電子分光(BL1N2, BL6N1)
BL1N2とBL6N1の2つのビームラインで150 eV~6 keVのエネルギー領域をカバーし、K吸収端でボロン(B)からクロム(Cr)までのXAFS測定が可能です。特にBL6N1は軟X線と硬X線の中間領域のX線(テンダーX線)を利用することができ、ヘリウム雰囲気大気圧条件下で液体や湿潤試料などのXAFS測定が可能です。さらに、テンダーX線を用いた光電子分光(HAXPES)測定により、実験室(ラボ)系のXPSに比べてより深い領域の分析が可能です。

真空紫外分光、角度分解光電子分光(BL7U)
真空紫外から軟X線までのエネルギー領域で偏光可変型アンジュレータ(APPLE-Ⅱ)を光源とする高輝度X線を利用することができます。K吸収端でリチウム(Li)からネオン(Ne)までのXAFS測定が可能です。高エネルギー分解能の静電半球型電子分光装置を備え、角度分解光電子分光(ARPES)測定により、無機・有機材料や薄膜材料等の化学結合状態や電子状態を解析することができます。

上記の他に、広角・小角X線散乱、薄膜表面回折、X線反射率測定、単結晶X線回折(名古屋大学BL)、X線トポグラフィ,X線照射,X線イメージング(白色/単色CT;愛知県BL)などもご利用頂けます。

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