九州シンクロトロン光研究センター (SAGA-LS)
施設の概要
九州シンクロトロン光研究センターは佐賀県の施設で、大学付属などの施設としてではなく県庁主導で設立された日本で最初のシンクロトロン光研究施設です。2006年に運用を開始しており、設立当初から産業応用を学術利用と同等の重みで扱っています。九州唯一のシンクロトロン光研究施設として、地域の「近くて使いやすい」施設となることを目指すとともに、多くの方々のご利用の結果として集積される技術や知識を基盤として、佐賀県の産業振興に貢献することを最終的な目的としています。
利用の形態
有償でお使いいただける通常の「一般利用」のほかに、自然科学分野の重要な研究対象を扱う課題提案、先端産業に資する基盤技術構築に向けた課題提案などを「探索先導利用」、「先端創生利用」としてお申込みいただくこともできます。これらは利用料金は安価になりますが、課題審査と成果公表義務が伴います。一般利用は最短で2週間後、探索先導利用と先端創生利用は最短で2か月後にご利用が可能です。定期保守期間である10月を除き、お申し込みは毎月受け付けています。そのほか佐賀県内向けの特別な利用枠もあります。
(利用区分と料金表はこちら)
ビームラインの紹介
以下に、当施設で特徴的な設備をご紹介します。他のビームラインを含めて設備情報の詳細をお知りになりたい方は、施設のウェブサイトをご覧ください(サイドメニューの設備詳細でリンク)。
X線トポグラフィー法(BL09)
単色あるいは白色の幅広いビーム、専用の試料台、専用の測定ソフトが用意されています。
各種イメージング手法(BL07)
単色光を用いたCT法、マイクロCT法、屈折コントラストによる位相CT法のほか、フィルターを通した白色光(準単色光)を用いたCT法や位相CT法(タルボ干渉計利用)での観察が可能です。
角度分解光電子分光法(ARPES測定)、光電子顕微鏡法(PEEM測定)(BL10)
電子蓄積リングの直線部に設置した偏光可変アンジュレータ(APPLE-Ⅱ型)からの高輝度な軟X線を利用して、材料評価などを行うことができます。
上記の他に、EUV光(92 eV、13.5 nm)反射率・透過率測定及び照射実験(BL18)、植物や微生物へのX線照射実験及び微細加工(BL09)などもご利用頂いています。